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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第1章 寺井夏美は、なにを考えているのだろう?
「ど、どうして?」
「どうしてとは、どうして?」
疑問&疑問。
でも、それも仕方ない。我ながらなにが「どうして?」なのか、明確な意図があって聞いてることではなかった。
それでも何かを汲み取り話を前に勧めたのは、やはり寺井の方なのである。
「たぶん、同じ気持ちだと思うんだ。実は私だって、よくわかってないのかも。四人は気の合う仲間なんだって、それは今も思ってるから」
「だったら、やっぱ――どうして?」
「確かなのは、山岡クンと加藤クンだったら、こうはなってないってこと。私、たまにキミのことをエロい目で見てたんだよ」
「は?」
「距離感がつかめないのは、だから一緒かな。ならばいっそのこと、なにもわからないくらい密着してみるのも――いい考えだと思わない?」
「そんな感じで……いいの、かな?」
「うん、そっちがいいなら――私はいい」
「……」
「無言は肯定。じゃあ、手はじめにコレは今日頑張った――そのご褒美ってことで」
あの……え?
思考は、まるで追いついていかない。
それなのに、二人の吐息が混ざり合った、直後。
突如として僕の口は、柔らかななにかに塞がれていたのだった。