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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第7章 ヘタレな僕と、不機嫌な彼女のその後は?
そんな二人から視線をそらしながら、寺井は独り言のように呟いた。
「なぁんだ。二人がそんな感じだと、あの話も無理かあ」
「あの話って……なに?」
「高校時代に仲良かった友達二人が、私に彼氏ができたって言っても信じてくれなくって、今度会わせろってうるさくってさあ」
「こ、高校時代の友達……!」
突如として、山岡と加藤の目の色が変わる。
「二人とも今は彼氏いないみたいだし、よかったらついでに山岡くんと加藤くんを紹介しようかなって考えたんだけど――どうかなって?」
「是非!」
二人は声を合わせて、即答した。
その様子を、僕は和やかに見つめる。
「じゃあ、詳しい話も兼ねて、とりあえず行こうか」
結局はそうして、四人はたまり場となった僕の部屋に向かった。
つき合っていけば、これから先もいろんなことがあるのだろう。喧嘩することもあるだろうし、チャラ男くんの時みたいにハラハラすることだって増えるかもしれない。
でもそれ以上に、嬉しくて楽しい――きっと。
一緒にいるのが寺井だから、僕はそう思えることができるのだ。
【おしまい】