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はじめてでドタバタな夜と、その後のこと
第5章 ベッドの中でも、いつもの二人で?


「大丈夫?」

「う、うん……へ、平気」

「いや、どう見ても無理してるでしょ……」

 今はギュッと瞳を閉じ、寺井は苦悶の表情を浮かべている。

 しかしすぐに、その口元には薄く笑みを浮かべた。

「無理をしては、いけない?」

「だって……」

「キミと……だから」

 寺井が発した短い言葉に、僕の胸が熱くなった。

「寺井、あのね。僕は――」

 そうして想いの丈を、口にしようとする僕を――

「言わないで」

「――え?」

 寺井は、止めた。

「それを、この流れで、口にされるのは……嫌なの」

「寺井……」

「色んな感情(もの)を混ぜないで。今、キミは――私と、どうしたいの?」

 再び大きく開かれた瞳が、僕の心に訴えかけた。

「僕、は……」

 数秒の間――僕はじっと、その瞳を見た。

 そして――

「ねえ……きて」

 その短い言葉に、導かれるようにして――

「く――!」

「ああ――――!」

 僕は高鳴る想いの全てを、寺井の奥深くまで届かせていった。

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