この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
戦場に響く鈴の音
第10章 遊郭
ここは遊郭…。
女の戦場…。
俺の着替えを済ませた胡蝶は自分もゴテゴテした着物を脱ぎ捨てて真っ赤な裾の長い寝間着へと着替える。
「呼ぶまで、ここには近付きなや。」
料理と酒を運んで来た禿に胡蝶が言い聞かせる。
禿が下がれば、胡蝶が俺の酒を盃に用意する。
「酒は要らん。」
「珍しい…、主様が酔うなんて…。」
「今夜は酒よりも女の気分だからかな…。」
胡蝶を買ってから半年以上が過ぎた。
その間に俺がこの遊郭に来たのは3度だけ…。
1回目は胡蝶と出会った時…。
2回目は胡蝶を買い付けた時…。
3回目は梁間討伐前の一夜だけ…。
その殆どの時間は酒を飲み、寝てただけの記憶しかない。
それほど、女を抱きたい欲望がなかった。
なのに、鈴に焦らされてからは女が欲しいと感じる。
悲しい目をする胡蝶をこんな形で抱きたいとは思わなかった。
愛してやりたいのに…。
俺は胡蝶を愛せない。
黒崎の家の為を考えれば胡蝶を黒崎の屋敷に迎え入れるなんて事は不可能だ。
俺がしてやれる事は胡蝶が遊郭から足を洗えるように協力する程度しか出来ない。
「今夜の主様は本当に胡蝶の主様じゃないのね…。」
胡蝶が悲しい目で俺を見る。
「嫌か?」
嫌だというなら帰ろう。
俺がそんな風に考えてるのに胡蝶は俺の上に跨ると太腿を撫で上げてから俺の股間にある魔羅に指先で触れて来る。
「例え泡沫の夢でも胡蝶は主様に愛されたい。胡蝶は主様の女房であると信じたい。」
そう呟く胡蝶が自分の股間に俺の魔羅を充てがう。
「舐めてやろうか?」
そのまま挿れれば胡蝶が辛い。
「いいの…、胡蝶はずっと主様の帰りを待ってたのだから…。」
そう言って、ゆっくりと膣の中へと胡蝶が俺の魔羅を押し込みながら腰を下ろす。