この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
戦場に響く鈴の音
第37章 追憶



俺と鈴の姿を胡蝶がクスリと笑いやがる。


「相変わらず…、黒崎様にとっては、お可愛らしい大切な小性様ですのね…。」

「これは俺の嫁だからな。」

「嫁…、黒崎様は由の笹川様の姫君と…。」

「あれは関係ない。胡蝶の時と変わらぬ存在だ。」


胡蝶は俺の嫁であって、嫁でなかったのと同じ…。

あくまでも契約の上だけで成り立つ夫婦だと言えば


「そうで、ありましたね…。」


と胡蝶が小さく笑う。

もう胡蝶は悲しみを含む瞳を見せない。

今の胡蝶は雪南の女として雪南にだけ悲しい瞳を見せるのだろう。

三男とはいえ、蒲江の武士…。

胡蝶は職人として技術を神国で学び、いずれは蘇の職人として自分の店を持つ女主人となる。

そして雪南の妾として生きて行く。

鈴の足を拭き、自分の足を拭き終われば、囲炉裏を挟み雪南の前へ座る。


「てっきり御館様が後継人だと思っていた。」


胡蝶の神国入りは当然、大河様の許可が要る。

そのまま大河様が後継人として名を出しても不思議はない。


「その大城主から後継人を頼まれたのですよ。蝶は大城主の北の方から嫌われておりましたし…。」


大城主の奥方は蘇一の美女である胡蝶の存在だけは認めなかった事で有名だ。


「何故、黙ってた?」

「黒崎様にお話は致しましたよ。女子には会えないだけで不自由はしてないと…。」

「鈴を娶る話は聞いたけどな。」


その前に胡蝶が妾だったという話は初耳だ。


「鈴の話は黒崎様が居る限り、始めから無い話だと思っていましたからね。」


胡蝶が出すお茶を優雅に飲む雪南が穏やかな表情で話す。

こんな雪南は初めて見た。

まさに美男美女が慎ましやかに並んでる。


/539ページ
エモアイコン:泣けたエモアイコン:キュンとしたエモアイコン:エロかったエモアイコン:驚いたエモアイコン:素敵!エモアイコン:面白いエモアイコン:共感したエモアイコン:なごんだエモアイコン:怖かった
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ