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戦場に響く鈴の音
第10章 遊郭
頭の芯まで突き抜ける解放感…。
胡蝶との繋がりを断ち、胡蝶の尻に白濁する精液を撒き散らす。
「やっぱ…、無理か…。」
笑うしかない。
蘇の国一の花魁である胡蝶が気を失う程までイカせれたら一人前の漢だと御館様が言った。
だから卑怯を承知で俺は胡蝶のぼぼを舐めて無理矢理にイカせたりする方法を取る。
今夜は俺の方が欲求不満でその余裕すらなかった。
なのに胡蝶はふふふと笑い満足気な笑みを浮かべる。
「それでも胡蝶をイカせてくれるのは主様だけよ…。だから胡蝶は悲しくなる。胡蝶の身体が主様を忘れられなくなるから…。」
せっかく笑った胡蝶が悲しい眼をして俯く。
俺はただ笑っていて欲しいだけなのに…。
後始末を済ませた胡蝶は胸を押し付けて俺に寄り添う。
「あの小姓…。」
胡蝶が意味深に俺を見る。
「鈴の事か?」
「帰らなくて大丈夫なの?主様が帰らないと凄く機嫌が悪くなりそうな勢いだったわ。」
「あいつ、まだ俺の小姓だって自覚がねえからな。見ての通り義父までも甘やかしてる。」
「それでも主様の一番近くに居られるから羨ましいわ。」
たかが小姓…。
「胡蝶が気にするようなガキじゃないと言った。」
「今はね…、やがて大人になるわ。」
ガキが漢に変わったところで俺には意味を感じない。
ただ、考えたくないはずなのに、鈴がちゃんと無事に黒炎から出て帰れたのかとか飯を食って風呂に入って1人で眠れてるのかとか、そんな親みたいな感情ばかりが湧いて来る。
義父や雪南が一緒だったから大丈夫だとわかってるのに、あいつの寝顔だけ確認したいとかくだらない事を考える。
「あいつの話は萎える。」
胡蝶に悲しい眼をさせたくない俺はそうやって鈴という存在を無理矢理に忘れる。