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戦場に響く鈴の音
第15章 陵辱
「離せっ!無礼者っ!」
そう叫び俺を蹴飛ばす俺の嫁…。
そろそろ、このハスキーな金切り声が鼻につく。
彩里の太い腕掴み、彩里が出て来た部屋へ入り襖戸を閉じる。
「少し…、黙れ…。」
壁に彩里の背を叩き付ければ、流石の彩里も目を剥いて俺を見る。
笹川の姫というだけで、誰からも、こんな仕打ちを受けた事が無いのだろう。
彩里は苦痛に顔を歪めるが、暴れられても迷惑だと彩里の両手首を頭上に引き上げ、壁に押し付けたまま見下ろしてやる。
「ここへ、何をしに来たのだ?」
震えたハスキーな声が質問する。
「お前こそ、蘇へ何しに来た?自分は形だけの人質で、黒崎からは姫、姫とチヤホヤとかして貰えるとか思ってたのか?」
「私は笹川の娘なるぞ。お前の様な下賎の身に…。」
「その下賎の子を産む為だけにお前はここに送られたんだ。少しは自分の立場を弁えろ。」
彩里の腕を押さえ付けたまま、腰帯を解けば
「止めろっ!卑しい分際で…。」
と眼に涙を浮かべながらも叫びやがる。
正直、このハスキーな声に俺の苛立ちはピークを迎えてる。
いい加減にしやがれと彩里の太い首に手を掛ける。
「まだ自分の立場がわかって無いようだな?笹川は万里と共に滅んだんだよ。お前の弟なんか誰も笹川だと認めてないからお前がここへ来る羽目になったんだろ?」
俺が万里を討ち取った。
50万兵士長とはいえ、万里が実際に持つ兵士は30万ほどだ。
残りの20万は万里の弟2人が仲良く10万づつ従えてる。
しかも俺が万里を討った時、笹川は万里の腹心を含めて10万の兵を失っている。
当時の笹川の嫡子、孩里はまだ12だった。
元服前である半人前の漢を笹川領主として認めぬと始まった兄弟争いによる内戦の勃発に、慌てた孩里は西元を元は笹川の領地だったと神国の朝廷に申し立てを行う事で自分が笹川の当主であると認めさせようと奮闘する。