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戦場に響く鈴の音
第16章 意地
なのに鈴は、思い立ったように穏やかな表情をするなり
「ダメだよ…、神路…。そんな事をすれば、おっ父を悲しませてしまう。大河様も雪南も…、神路の大切な人達を鈴が傷付けるのだけは嫌なの…。」
と呟いて笑う。
それは、とても寂しい笑顔だ。
なのに、朝咲きの大輪の花が零した露の如く、まだ汚れを知らぬような澄んだ笑顔をしている。
「そんな風に諦める必要はない。」
俺の方が鈴に全てを与えたいと願ってる。
「諦めてる訳じゃない。鈴は…、充分に幸せだ。神路が傍に居てくれるだけで満足すべきだと、ちゃんとわかってるから…。」
それだけを言うと、これ以上の話は無意味だというように鈴が俺の口を唇で塞いでしまう。
未だに、この仔猫の気まぐれな感情を理解が出来ない。
さっきまで笑ってたかと思えば、あっという間に無表情なだけの昔の鈴へと戻りそうな気がする。
かと思いきや、俺に愛情を求める姿は昔と殆ど変わっておらず、相変わらず深く激しい口付けを鈴は繰り返す。
俺だけが鈴に振り回されてクラクラさせられている。
女を知らぬガキのように、鈴の口付けで上手く息が出来ず、頭がぼんやりとして来る。
「くっ…。」
鈴の唇が離れた瞬間、意識を保とうとして歯を食い縛る。
萎えかけた魔羅が再び勃起して鈴の体内を圧迫する。
「抱いて…、鈴はどうなってもいい…。鈴が壊れるくらい…神路に愛して欲しい…。」
そう願う鈴が自分で腰を振り始める。
俺が見放せば、飯すら食わずに消えてしまおうとする少女は自分を壊してでも俺との繋がりを無理矢理にでも保とうとする。
「鈴…、出るっ!」
突き上げる射精感に我慢が出来なくなれば、鈴が勝ち誇った顔で俺を見る。
「出して…、鈴の中で…。」
そう呟いた仔猫は俺が出したものを小さな身体で全て受け止めると、満足した笑顔を見せて崩れ落ちた。