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戦場に響く鈴の音
第28章 説教



「だから…、直ぐ追い付く…。」


朝から不機嫌な鈴を説得する時間の方が勿体ないとか思う。


「神路がやるなら、鈴もと言ってるだけだ。」

「茂吉達とやる。見つからなければ直ぐに鈴を追う。」

「何故、鈴を連れて行かぬ?」

「子供とはいえ、野盗だ。鈴の腕では歯が立たない。」


だから、多栄と共に雪南について行けと命じたが、鈴も残ると言って聞いちゃくれない。


「鈴を連れて行け…。」

「鈴…。」

「足でまといにはならぬ。約束する。だから…。」


たかが野盗のガキの捜索だというのに鈴は今にも死にそうな表情で歯を食い縛る。


「わかった。但し、勝手には動き回るな。」


鈴を連れて行くと決めた俺に茂吉が驚いた顔をする。


「旦那、本気で嬢ちゃんを連れて行くつもりで?この遠征に連れて来ただけでも危ないってのに…。」


茂吉に言われなくともわかっている。


「田井兄弟は戻ってるか?」

「居ますよ。あいつらは近い村に行ったので、昨日の夕刻前には帰って来てました。」

「なら、鈴の面倒を兄弟に任せる。」

「旦那は嬢ちゃんに甘いからなぁ…。」


呆れながらも茂吉は兄弟に鈴を守れと命令を出す。

鈴はまだ不満気な表情をするが、これ以上の我儘は認めない。


「この崖の向こう側を探す。見つけても攻撃はするな。」


約束通りに茂吉が集めた兵は2000ほど居る。

そういう連中は山や森に詳しく、野盗の窼になりそうな場所も直ぐに見つけて来る。

半刻も立たぬうちに伝令が入る。


「見つけたか?」


茂吉に確認する。


「多分…、窼ってほどの窼ではありませんが、旦那が言うように相手が子供ばかりなら、間違いないと思います。」


いささか渋りながら茂吉が発見した窼へと兵を回す。


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