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戦場に響く鈴の音
第29章 使者



茂吉に20万もの兵を動かせるだけの力は無い。

だが…。


「あれには2000人の協力者がいる。水野一人で20万は扱えずとも2000人に20万を分散すれば、それなりに扱えるようになる。」

「そんな細かい動かし方で戦になると?」

「なる。今回の戦は待つだけの戦だからな。」

「そう上手く行けば宜しいかと…。」


佐京が俺を鼻で笑う。

いつでも裏切る事が出来るのだと威圧を掛けてるのがわかる。


「とにかく、後3日で朧だ。そこからの睨み合いは覚悟の上だったはずだろ?佐京…。」

始めの約束を守れと佐京に詰めよれば


「俺だけで朧を落としてやっても良いよ?」


と軽く言いやがる。

今回の戦に佐京は絶対に必要だが、佐京にだけはこの戦を仕切らせないと決めている。


「このまま俺に従うか…、兵を置いて羽多野が待つ暁へ一人で帰るか決めろよ。」


味方である佐京を御する事が出来なければ、この戦は俺の敗北になりかねない。


「了解…、だが10日だ。それ以上は待てない。」

「わかってる。」


こんな言い争いが続く。

その3日後、それは向こうからやって来た。


「孩里に使者だと?」


朧前に到着した直後の事だ。

朧を囲うように軍を展開させ、孩里は俺が構える本陣の後方に控えさせている。

その孩里宛に朧から使者が来たと雪南が言う。


「孩里と使者をここに連れて来い。」


そう兵に命じて双方を待つ。


「義兄上様っ!朧の使者が来たと…、叔父上の使者ですよね?」


未熟者で甘ったれの孩里はまだ叔父と話し合いが出来る段階だと思ってやがる。


「まだ使者の要件は明らかになってない。悪いが孩里は口を閉じてろ。ここは既に戦場なのだからな。」


余計な事を言われて駆け引きが成立しなければ話にならない。


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