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ダブル不倫 〜騙し、騙され
第3章 ベッドルーム
 修一は優子に背を向け、寝息を立て始めていた。
 
 優子は悶々としていた。
 
 点いてしまった炎を鎮火させるほうが難しいと思った。
 
 優子はドレッサーの引き出しの奥にしまってある外国の新聞紙でこしらえた小さな小袋を取り出した。中身を確認する。親指ほどの小さなロータだ。夫には内緒で通信販売で購入したものだが、使うのは少し躊躇《ためら》っていた。
 
 手のひらに握り締めてそれのスイッチを入れてみる。スイッチは無線式だ。
 
 プーン……。
 
「きゃっ……」
 
 蜜蜂の羽音に似た小さな音。優子の手のひらで小さなそれが暴れる。それは、その大きさに似つかわしくない強い振動。優子は慌ててそのスイッチを切った。
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