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ダブル不倫 〜騙し、騙され
第2章 プロローグ
レコーダーの音が静かになった。ガラガラと扉がゆっくり開く音がした。その音は、ガラガラという速いものではない。どちらかと言えばガラ、……ガラ、……ガラ、という音を気にしながら開ける音だ。
優子が夫のポケットにボイスレコーダーを忍ばせたのは、元同僚からの情報。夫のポケットにレコーダーを忍ばせるのは、見てはいけないものを覗き見るようで心苦しかったのだが、優子は事実が知りたかった。
「……全校児童、帰宅しました」
「ああ、お疲れ様でした。山瀬先生……」
と、若い女性の声がしたあと、ガサガサと布が擦れ合う音。にちゃ、くちゃっと、湿り気のある音が時々聞こえる。
――にちゃって、キス……してるの?
優子が夫のポケットにボイスレコーダーを忍ばせたのは、元同僚からの情報。夫のポケットにレコーダーを忍ばせるのは、見てはいけないものを覗き見るようで心苦しかったのだが、優子は事実が知りたかった。
「……全校児童、帰宅しました」
「ああ、お疲れ様でした。山瀬先生……」
と、若い女性の声がしたあと、ガサガサと布が擦れ合う音。にちゃ、くちゃっと、湿り気のある音が時々聞こえる。
――にちゃって、キス……してるの?