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親愛なるご主人さま
第10章 待ちわびた聖夜

 捲られたメイド服の下、黒い貞操帯が食い込んだ白い尻があらわになる。

 “X”は菜穂子の内腿を指先ですーっと撫で上げてから右の臀部をピシャリと打った。

「あひっ!」

 菜穂子は小さな悲鳴を上げるも、服従の姿勢を崩さず、まろやかな尻をプルンと震わせた。

「フフ、手触り、感度、共に良し。いい尻だ。アナルは十分広げたのかい?玲子さん」

「ええ。今も貞操帯の下には太いディルドを咥えさせています。ですが、広げ過ぎてユルユルにしてしまったら元も子もございませんので、適度に伸縮性を保ちながら・・・・お見立てのとおり感度は抜群ですわ。締まり具合も」

「うむ。そうか、流石だね。玲子さん」

「めっそうもございません」

 “X”は満足げにほくそ笑むと再び菜穂子の双臀を掌でさすり、舌なめずりしながら言葉を続けた。

「フフフ、菜穂子さん、オマエのご主人様の身にもしも・・もしもね、何かあって会えなくなったら、この儂が引き取って、たっぷりと可愛がってあげるからな。フフフ」

(え!会えなくなる?まさか、何を言うのこの人は!・・そ、そんなこと!絶対あるはずないわ!)

 菜穂子は床に伏した顔を上げ、“X”を睨み、憤慨の言葉が口先まで出かかった。が、寸前のところで留まり、顔を伏せた。

 一瞬でも誰かに憤りの感情を抱くのはいつ以来だろう、と菜穂子自身が驚いたほどだ。愛しみ積み上げて作ってきた、いわばご主人様と自分の世界感を“X”の一言で壊されたような気持ちを抱いたからだ。

(ご主人様にこのまま会えなくなるなんて仮に考えてみるのもイヤッ!ご主人様が他の女を選ばれて、私は放置されるのであれば・・・嫉妬せずにじっと我慢して待っていられるけど・・・)

 菜穂子はもしも仮の悪い現実を頭に描き、不安と恐れに抱かれ、身体全体がガクガク震えだした。

 “X”は菜穂子の気持ちなど汲まずニヤニヤと哂いながら指先で双臀なぞった。

「ムチムチで、まろやかで・・・飽きない尻だ。フフフ・・・」

 ゾワッと菜穂子の身体に悪寒が走った。




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