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親愛なるご主人さま
第11章 千客万来

震えの原因は“X”と右京から伝わってきたものだ。蛇が口を開けて飲み込むような空気感であった。あるいは支配的圧力とでも言うモノか、応接室で”X”にお尻を撫で上げられた時も、ついさっき右京に手を握られ抱き寄せて股間を固いモノに触れた時も、込み上げてきたゾワっとくる震えは初めての経験だった。それはK様や玲子奥様から受けた調教の時でも、J先生の手術の時でも、感じなかった感覚だった。もちろんご主人様”S“にサディステックに愛でられるときとは正反対の感覚だった。
不思議なもので、いや、当然の感覚かも知れないが、苦痛を伴うはずの玲子の鞭打ちには悦楽を感じ、柔らかい”X”や右京の愛撫には邪悪な恐怖を感じたのだ。
しかし、菜穂子が本当に怖かったのは悪寒が走るような愛撫を受けてもなお、アナルやクリトリスの性感がヒクッと反応して、ヌルヌルと濡れてしまうことだった。自分自身の性の儚さと危うさが何よりも怖かった。
(ぁああ、ご主人様・・早くここへ来て!菜穂子を捕まえて、もう離さないでください。ご主人様のモノとして刻印を身体に付けられて繋がれていたいのです。そうじゃないと菜穂子はおかしくなって壊れちゃう)
菜穂子は天井のシャンデリアの輝きを仰ぎ見てから固く目を閉じ“S”に優しく抱擁される妄想を湧きたてた。オレンジの光の中から”S"が現れて菜穂子に向かって歩んでくる。しかし、なぜか手を差し伸べても距離が縮まらない。代わりに後ろから何かが近づき菜穂子に覆いかぶさってきた。
不思議なもので、いや、当然の感覚かも知れないが、苦痛を伴うはずの玲子の鞭打ちには悦楽を感じ、柔らかい”X”や右京の愛撫には邪悪な恐怖を感じたのだ。
しかし、菜穂子が本当に怖かったのは悪寒が走るような愛撫を受けてもなお、アナルやクリトリスの性感がヒクッと反応して、ヌルヌルと濡れてしまうことだった。自分自身の性の儚さと危うさが何よりも怖かった。
(ぁああ、ご主人様・・早くここへ来て!菜穂子を捕まえて、もう離さないでください。ご主人様のモノとして刻印を身体に付けられて繋がれていたいのです。そうじゃないと菜穂子はおかしくなって壊れちゃう)
菜穂子は天井のシャンデリアの輝きを仰ぎ見てから固く目を閉じ“S”に優しく抱擁される妄想を湧きたてた。オレンジの光の中から”S"が現れて菜穂子に向かって歩んでくる。しかし、なぜか手を差し伸べても距離が縮まらない。代わりに後ろから何かが近づき菜穂子に覆いかぶさってきた。

