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親愛なるご主人さま
第12章 競売第一幕 真由美

 「さて、今夜最初のオークション。番号1番、飯田真由美。30歳。28で結婚、現在“離婚ホヤホヤの元人妻”でございます。詳細な調教実施項目やスリーサーズ等はお手元の資料をご参照ください。担当調教師は吉岡潤一郎でございます」

 静寂の客席に圭吾の声が響くと、まず吉岡が現れ、客席に深く頭を垂れてから手にした鎖の端をグイと引いた。

「前へ出ろ」

「ぁあ・・いや・・」

 首輪に繋がれた長い鎖を引かれ、ステージの奥の暗がりからよろめくように『人妻M奴隷真由美』が出てきた。

「そこへ上がれ」

 ステージの中央には20cm程に一段高くなった円形のお立ち台があった。そして客席側から一閃のスッポトライトがパッーと刺すように真由美の身体を照らした。
 30歳の人妻らしい熟れた肢体だった。白い肌に赤い首輪が映え、首輪にオークションナンバー1番の札が付けられている。二重瞼で色白の瓜実顔。際立つほどではないが、セミロングの髪方が似合うなかなかの美人だ。会場から拍手が少なからず湧く。だが真由美は煌々としたライトの照射に眩し気に目を伏せ、両腕で乳房を隠している。客席の正面の位置にはビデオカメラが設置され、ステージの左右には大画面のモニターディスプレイが置かれていて客席奥の遠目からでもステージ上の奴隷の一部始終が見れるようになっている。
 明るいライトを浴びビデオにも撮られていることを悟った真由美は羞恥に耐え切れず身体をくねらせた。脂の乗った太腿から腰のラインがむっちりと白く輝き、客席の男たちの視線を浴びた。が、肝心の太腿の付け根と臍の下の三角地帯は小さな布で覆われ隠されていた。若妻がキッチンで着けているようなサテン生地の可愛らしいデザインのエプロンだった。

「ふん、勿体つけやがって」

 主催者席にいる“X”がステージを見て小声で毒突き、細井を手招いた。

「細井。あの調教師の吉岡ってのは?」

「はい。仁の友人で、新宿でホストもやってまして、真由美が吉岡にかなり入れ込んだのが旦那との離婚とマゾ牝落ちの発端です」

「ふーん。入れ込んだホストがたまたまウチと契約してる調教師だったってわけだ」

「旦那に隠れて生まれて初めて行ったホストクラブらしいです。ホンの半年前のことですよ」
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