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親愛なるご主人さま
第12章 競売第一幕 真由美
 客席から卑猥感ある含み笑いが漏れた。深い尻の割れ目の熟れた人妻らしいムチムチっとした双臀がライトアップされる。
 込み上げる羞恥心に崩れ落ちそうになるのをハイヒールの脚を踏ん張る度に左右の双臀がプリプリと動き、尻好きなサディストにはたまらない眺めだった。
 白くシミひとつないマゾな人妻の尻に鞭を叩き込んだら、さぞいい音を響かせ、赤い鞭痕が残るはずだ。

 ピシ!
 
 また鞭が床を鳴らした。

 ピクっと身体が反応し、愛液がジュルっと溢れ出てしまう。マゾ牝の淫臭を漂わせながら液が内股を濡らし垂れてゆく。
 涙を潤ませながら吉岡を見て目で許しを乞うが、叶うはずがないことは百も承知だ。絶望的な気持ちで覚悟を決め、ゆっくりと左右に足を広げ、そのままの姿勢で上体を前に倒した。何度もオークションのお披露ポーズとして教え込まれた一連の動作だった。そして頭の後ろに組んでいた両手を離し、開いた両足首を左右の手で掴んだ。頭が下がり自然と客席に向かって尻を突き出すような格好になった。

「ぁああ・・・ま、真由美のお尻の穴を・・どうぞご覧くださいませ・・・」

 集音マイクが真由美の羞恥に震える小声をも拾い、ステージの左右にあるスピーカーから会場中の客の耳に届いた。客席側のスポットライトに加え、ステージの床に並んだフットライトもパッと点灯して真由美の尻を下から照らし上げた。影ひとつ作らず淡い菫色のアナルの蕾が丸見えになった。
 会場全体が静かに真由美を見つめる。客席の一番前の席の中年男が下から覗き込むようにアナルを凝視しているのが真由美にもよく分かった。

「あぁ・・・」

 思わず真由美から羞恥の吐息が漏れる。わずか半年前までは平凡だが貞操な妻として公務員の夫と幸せに暮らしていた。夜の生活において夫が少し淡泊だったことを除けば・・・・

 
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