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親愛なるご主人さま
第13章 競売第二幕 純子

「ぁあああ・・・」

 大勢の客の前で純子は自分の身体の奥底から込み上げてくるマゾの快楽に抗えず、官能に身を任せると、桃色の雲の上にフワフワと浮いているような気分に酔った。しかし時おり打たれる乗馬鞭の痛みや、キュルキュルと差し込む便意に意識を無理やり向けさせられ、官能と苦悶の境を鞭や便意というスイッチのオンとオフで天国と地獄を行ったり来たりさせられるのだった。

「では1,000xからスタートとしましょう」

「1,500!」

「1,700だぁ!」

 オークションをスタートする圭吾の声が終わる間もなく、殺気立って買値をコールする客達の声が上がった。官能と苦悶の狭間に揺れる純子の耳には遥か遠くに響く群衆の騒めきのように聞こえていた。


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