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親愛なるご主人さま
第14章 値引き品の末路

 水野純子がスポットライトを浴びならが浣腸に苦悶するメインステージから僅か30メートル程離れた一角の暗がりに ”売れ残り品”の晒し場”があった。飯田真由美はそこに放置されたままだった。

(コールがかからず誰にも買われなかった・・・)
その現実の屈辱だけが真由美の頭の中を占めていた。

 M字開脚型に縄で吊るされ媚薬の効果がまだ残る身体を揺すりながら恥辱より屈辱に拉がれていた。

(そういえば・・あの娘は何処へ?・・・さっきまでバーカウンターの中にいて私と目を合わせ恍惚を共感して昇りつめて気をやったあのメイド服の娘は・・・・)

 真由美はうつろな目で探すがその娘(菜穂子)の姿は見つからない。奴隷オークションで一声も掛からず最下級奴隷の烙印を押され溺れるように堕ちて行く自分にとって、なぜだかあの娘だけが縋りつける藁のように思える存在だったのだが・・・

 
 そんなボロ布のように晒し台に吊るされた真由美に向かってゆっくりと近づいてくる初老の男がいた。メインステージ近くの席にいながら、盛況な純子のオークションには見向きもせず、背を向けて真由美を見ていた男だ。

「この女の担当調教師は?・・・いないのか」

 男は晒し台近くに歩いて来ると誰に向かって言うでもなく訊いた。

「ん・・? 俺だけど・・・」

 傍らの椅子にうなだれて座っている吉岡がロン毛をかき上げ、けだるそうに顔を上げた。

「真由美の値引き買いっすか?」

 売り残り品ディスカウントは吉岡にとって全く美味しい話ではない。どうしてもやる気のない接客態度になってしまう。

 「買うかどうかはまだわからん。その前にこのメガネを女の顔に掛けてくれ」

 男は女性用の細い銀のフレームのメガネをポケットから取り出した。

 「あれ?フレームだけでレンズがないけど、あー、わかった。お客さん、メガネフェチっすか?」

 渡された吉岡が縛られ吊るされている真由美の鼻を指でつまみ上げ、フレームだけのメガネを掛けた。



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