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親愛なるご主人さま
第14章 値引き品の末路

「15分後にこの会場の下の階の部屋にいらしてください。準備しておきます。せっかくだから真由美には一度シャワーを浴びさせて、化粧や髪も綺麗に整え直してからご奉仕させますよ。浣腸して催淫クリームも塗り直しておきましょうか?」
「おぉ、そうだな、だがシャワーは結構。いい匂いが消えてしまうからな、ヒヒ・・」
数刻後、サングラスの初老の男はオークション会場の喧騒を離れ、階段を下りて吉岡に指定された部屋のドアをノックした。期待にズボンの前がパンパンに張って痛いほどだった。
吉岡の「どうぞ」の声で入ると15帖ほどのその部屋は真っ赤な絨毯が敷きつめられ、壁一面には種類豊富な縄や鞭がフックから垂れ下がっていた。
ガラス戸棚には様々な形のディルドやバイブ、浣腸器や蝋燭などの責め具が並び、部屋の片隅には医療用の簡易便器まで置かれていた。
ここは普段、圭吾や玲子が使っている調教部屋の1つだった。
部屋の中央のダブルサイズのベッドの上に、真由美が正座の足を崩して座っていた。赤い首輪以外には手首を背後に縄で縛られているが、口枷は外されていた。晒し台に吊るされていた縄の痕が乳房の上下に生々しく残っているが、顔は化粧を直され、髪もポニーテールにまとめられ、売り物として磨き直された姿はサディストの嗜虐心を煽る風情があった。
吉岡は部屋の片隅の簡素な椅子に座っていた。まだ売り先が決まらない商品であるが故に、お試しの行為の際に客の酷い責めで大きな傷などを付けられないように一応監視する責任があるからだ。また客が買う気を失わないように傍で色々と仕向けることも担当調教師の大事な仕事だった。
男はベッドに近づき真由美の身体を抱き起すと、晒し台で使った細いフレームのメガネを再度掛けさせ、暫く顔を覗き込むように見つめ、吊し上げの縄痕が残る乳房を鷲掴みに弄んだ。
真由美は男のなすがままに身を任せていて、まるで人形のように無表情のままだ。自暴自棄的な心境であった。それでも催淫クリームを塗り直された効果で乳房を掴まれていると乳首だけではなく腰の辺りもムズムズしはじめていた。

