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親愛なるご主人さま
第14章 値引き品の末路

ワンマンバスがぎゅうぎゅう詰めで身動きできなくなるとパンティの中に指を入れてきたこともあった。
信じられない教頭の行為に驚いて声も出ず、うぶで真面目な由美子は悩みぬき、意を決して学園の理事長や校長に訴えたが、取り合ってもらえなかった。
教頭の藤崎はこの学園を経営する権力者であり創業者の藤崎与之助の娘婿で、与之助には息子がおらず、娘婿の藤崎金治が与之助の後継者になる立場で、結果、雇われの理事長や校長より強い立場にいることを思い知らされた。
セクハラはなおも激しさを増して毎日のように続いた。由美子が残業の日は教頭も校内に必ず残っていて「車で送ってあげよう」などと言い車内で悪戯の手を伸ばし、ラブホテルに入ろうとして由美子は車から飛び降りるようにして逃げた。もうハラスメントというより性犯罪行為に近かった。
誕生日には「品名:素敵なプレゼント」と書かれた宅配便が届いた。由美子は箱ごとそのまま捨てようと思ったが、気になって恐る恐る開けると、小さなルビーのイヤリング、ペンダント、白いブラジャーとパンティが入っていた。ブラはカップサイズまで由美子にぴったり合わせてあるのが不気味で、パンティはスケスケのTバックだった。さらに小包には由美子が生まれて初めて見るモノ、男性自身をそっくりに模した太くて重いディルドが入っていた。
由美子は藤崎への軽蔑より憤りが勝り、復讐を企て、品々を小箱に詰め直し、真由美宛の宅配便の伝票と一緒に、『教頭先生から届きましたが宛先をお間違えのようなので転送いたします』と皮肉を込めた便箋を添え、藤崎の妻の宛名で自宅へ送り返してやった。

