この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
親愛なるご主人さま
第14章 値引き品の末路

藤崎金治のイニシャル「KF」が書かれると思ったが、「Kinji」と崩したアルファベットで受領サインをした。
「女房と別れて藤崎姓は捨てたんじゃ。今は旧姓の田沼という」
「へー、そうなんすか」
「まぁ苗字なんぞどうでもええ。吉岡さん、『売約済』印はいずれ消えても儂の名の『Kinji』は消えんようにできひんか?」
「師匠のK様夫妻に頼めば腕のいい入れ墨師を紹介してくれますよ」
「おう、そうか、彫るのか!それと、乳首やオマ〇コの襞にピアスを付けてやろうと思ってな。7年前にプレゼントをしたのに拒否しおって、返してきたイヤリングやペンダントをピアスリングからぶら下げて外せないようにしてやるわ」
7年前、由美子から金治の妻宛に手紙付きで返品されたプレゼント品のおかげで、妻からの厳しい“学園内のセクハラ疑惑”の追及から逃れることができず、結局1年後には金治は離婚させられた。金治の妻は学園の創業者の娘であるから、離婚によって金治は学園の権力者の座からも追われたのである。無論その後、藤崎の姓を名乗ることも許されなかった。
「局部へのピアス。それもすぐできますよ。これから先お楽しみ満載ってとこですね」
「飾り付けはいずれゆっくり楽しもう。フフフ、佐藤由美子。今日から儂のおもちゃだ」
田沼金治は失神してベッドに大の字に拘束されたままの由美子の肢体を見下ろした。売約済の烙印と受領サインの「Kinji」が下腹部にくっきりと記され、その下の花開いた谷間から濃密な樹液が溢れて牝の匂いが漂う。金治は至福を噛みしめ笑みを浮かべた。
「このまま毛布に包んで箱に詰めて儂の車に運んでくれ」
金治は駐車した場所を吉岡に教え、キーを渡した。
「かしこまりました。1階のロビーでお会計を済ませたら、玄関の車寄せでお待ちください」

