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親愛なるご主人さま
第16章 沙耶香の調べ

そこへX社の細井が駆け付けた。
「沙耶香!隠れても無駄だ」
細井に両手首を掴まれて捻り上げられ、ステージに引きずり出された。
「ぁあ・・いやっ、やめてください」
ステージに上げられても沙耶香は身を捩って細井から逃れようとした。
「かくれんぼしても、すぐ見つかっちゃたわねー、観念しなさい。まだ売られたわけじゃないんだから!それともお仕置きがされたいのかしらん?」
玲子が楽し気にからかって沙耶香のメイド服の裾を捲って尻をピシリと平手打ちした。
「ヒッ~!」
一瞬、白くてまろやかな沙耶香の双臀が客席から見えた。どうやら素肌の上はメイドコスチュームームだけで下着の着用は許されていないようだ。他のメイド4人と同様に沙耶香も後ろ手錠と首輪を掛けられ舞台に並べられた。
「さぁて、お待たせしました。5人の生贄候補が揃いましたので、皆様の投票結果を発表いたしまーす。得票数1位のメイド娘がサプライズでオークション品になります」
玲子の声に合わせ、照明が暗くなり大袈裟なドラムロールが響く、まるでミスコンのグランプリ受賞者発表のようだ。
「イエ~ィ!」
客も面白がって拍手歓声を上げて盛り上げる。その中で誰より一番楽しんでいるのは玲子だ。唐突にサプライズ企画としてステージに上げられ、怯えて震えているまだウブなメイド娘達を見ていると、ゾクゾクする加虐感に満ちてきて、手にした一本鞭を振り回したくなるのを懸命に我慢し、持て余していた。
もうひとり、この舞台の様子を見て湧き上がる官能の炎に震えている女がひとりいた。別室の調教部屋のモニターを見つめている菜穂子だ。サプライズ企画は菜穂子にも当然知らされておらず、いきなり始まって驚いていた。
菜穂子の癖で、またしても目の前の状況を自分に置き換え、自分も首輪と手錠を嵌められたステージ上のメイドになったように共感していた。(この後どうなるんだろう?お客様の前で・・・恥ずかしいオナニーショーとか・・・強要されて・・・・ぁああ・・・私もオークションで値段を付けられ・・・・)
現実と妄想が混在して頭の中が真っ白になり、菜穂子の目の前には桃色の霧が広がって官能の渦に酔ってゆくのだった。

