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親愛なるご主人さま
第20章 最終オークション

「マジックミラーも無しで、夫の目前で犯されて喜ぶ妻もいるわ、あと、強制レズを仕掛けて、薫の場合はNHだから完レズとは言えないかもだけど、それを見て悦になるサドの夫もいるでしょうし。つまり1対1のSMでない3人称のプレイのときに薫は使い道が豊富なおもちゃになるのよ」

「完璧に躾けられていて、調教済みで、美しい上に、両性具を持ちですからね」

「そう。その官能は複雑で言葉では言い表せないわ。半年前初めて菜穂子に薫を絡ませて夫と私で調教したとき、我ながらすごくエキサイトしたわ。終わって、菜穂子と薫を部屋に下がらせた後、自分を鎮めるのに苦労して・・・・夫のモノを求めたほどよ」

「へ~、その時の玲子さんを見たかったなぁ」

「ウフフ・・菜穂子があの日の薫とのことを手紙に書いて、それを読んだSさんが薫を欲しくなったことに共感できるわ。菜穂子が愛しいが故にペット2匹を所有したいと思ったのだわ。きっと・・・・」

「確かに菜穂子と薫のWペットは魅惑的ですね」


(あっ!)


 玲子はその細井の言葉に思わず声を上げそうになるくらいの “気づき“ があった。

(そうか・・・右京もそれを狙っての・・・・)


 「それにしても、Sさん間に合わなかったな~。さてさてオークションコール始まりますね。どこまで競り上がって売れるかな~」

 「まだわからないわ。競り合いが続いて、落札までに時間が掛かっている間に会場に彼が到着して飛び込めば、落札を止められるわ!まだ間に合う!もうこの近くに来てないかしら!?」

 細井の呑気な言葉に玲子は怒気を含むように言い返した。

「おっとっと、肩入れしていますね~Sさんに。じゃあ俺、1階に上がって玄関とロビーの様子見てきますよ。無駄かもしれないけど」

 玲子に気圧され細井が上階に行こうとした。

 だが数秒後、玲子と細井の僅かな望みもあっけなく崩れた。

 ステージ上の圭吾の「では、スタート価格1,500xから始めます」の掛け声で始まった薫のオークションは、つかの間の静寂を打ち破り、鷹杉右京の一声で決したのであった。




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