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親愛なるご主人さま
第21章 宴のあと

前例が無い高額の奴隷購入に丁重に礼を述べた。1万xの30パーセントが調教師の取り分で、圭吾と仁で山分けしても円換算すると1千5百万円を超える儲けだ。
「儂は欲しいモノは必ず手に入れる。ヒヒヒ・・」
右京は得意満面にソファーにふんぞり返っていた。
薫が引き渡される儀式の様子を近くで見物しようとVIP席の周りには人垣ができた。
「薫!なにをぼやっと立っている!オマエもお礼を申し上げなさい!」
仁にピシャリと尻を叩かれ、薫はVIP席の深い絨毯に跪いて三つ指をつき、右京の足元に伏してお礼と誓いの言葉を述べた。
「ご主人様。本日は薫をお買い上げいただきまして、誠にありがとうございました。ご主人様にご満足いただけるように誠心誠意、奴隷として努めさせていただきます」
薫の言葉に右京は何も言わず、靴の先を土下座している薫の鼻先に近づけた。薫はまったく躊躇いなく、舌を差し伸べ革靴をペロペロと舐めた。見物の人垣がその様子をみてざわめいていた。
「鷹杉様、引き渡し儀式と納品に関して、どのようにいたしましょうか?」
仁が右京の顔色を窺いながら恭しく訊いた。
「今の薫の誓いと所作で今日のところは十分や。この人垣の見物人は、例の子供だましのような焼きごて刻印儀式を期待してるのかねぇ?あんなくだらんことやらんぞ。薫は一旦“X”氏に預けることにしておる。君の名は仁君だったかのぅ?」
「あ、はい!仁です」
「君がせっかくこの娘のペニスを大きく改造してくれたようやけど、儂は使わんから、切り落とそうかなぁと・・・考えとるとこや。まぁお飾りとして付いていてもエエけどなぁ」
「おぅ、爺さん、どっちにするか、預ける前に早く決めておいてくれや」
いつの間にかミスター“X”が人垣をかき分けて現れた。細井も付いて来ていた。
「おや、“X”! まぁ急かすな。さっきも言ったはずや、使い道に迷っとる。儂にはいらんモノやけど、切り落とすと悲しむオナゴもおるやろ」
「一度、切り落としてから、もう一回付けろと言われてもなぁ、名医に頼んでもさすがにそりゃ難しいからな」
薫は床に伏せ、右京の靴先を舐めたまま二人の会話を聞いた。白い背中が小刻みに震えている。
「それじゃ、まとめて要望事項を言っておくぞ。仁君」

