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親愛なるご主人さま
第21章 宴のあと

右京はおもむろに薫の首輪を引き、髪を鷲掴みして起き上がらせた。
「ぅう・・」
薫が苦悶の表情を浮かべた。
「せやなぁ、オチ〇ンチンはまだ付けておこうか。でもホルモンは投与し続けるんじゃ。まぁ、そうしておいたらデカいこれも退化するやろ。それから儂の名「右京」をココに彫ってくれ」
右京は立ち上がらせた薫の無毛の下腹部を指さして“X”と細井に示した。
「納品のときは和装や、大島紬の訪問着を着せてくれたらええなぁ。下にパンティなど穿かせたらあかんでぇ。襦袢に腰巻や。髪は茶髪やなしに黒髪に染めるんじゃ!日本の娘やからな。納品は正月でよか。鹿児島の儂の御殿に届けてくれ!」
「好き勝手言っとるな。よしよしわかった、爺さん。年明けたら俺が届けるよ。オマケも付けてな。フフフッ」
”X”が含み笑いを噛みしめて言った。
「頼むぞ“X”!楽しみにしとる。ええ正月になりそうやな。ヒヒヒっ」
「細井。この爺さんの言う通り諸々手配してくれ。ジジイめ、大島紬ときやがった」
「承知いたしました。忙しい年の瀬になりそうです。刺青師も確保せねばなりませんし、私は薫を乗せて今夜中に東京に戻ります。ボスは?」
「俺も乗る。明日東京で野暮用があるんだ。先にロビーに行ってるぞ」
「承知しました。では、右京様。お買い上げの薫さんをしばらくお預かり致します」
「おっと。車に乗せるところまでは儂につかの間のオーナー気分を楽しませてくれや。へへへ・・・」
右京は薫の首輪を引く鎖を受け取ろうとする細井にそう言って手離さなかった。
「これは、失礼しました。」
「よいよい、細井君。おい丸岡!ロビーで早く支払いを済ませてやってくれ。1万xだ。タトゥーと大島紬の代金も一緒に先払いしてやれ。ヌハハハッ・・・」
右京は上機嫌でボディガード兼秘書の丸岡に命じた。
「御意にございます御前。ではお先に」
丸岡は恭しく言うと大金が入ったトランクを抱え、ミスター“X”と細井に続き階段を駆け上がってゆく。右京もゆっくりと薫の首輪を引いて上階への階段に向かおうと歩んだ。二人が動くと、まだ帰らずに興味本位で薫を見ていた客の人垣が割れて道を作った。注目を集める右京は得意満面だ。
「2本脚やない!四つ這いで行かんかい!このカママゾ!」
ピシっ!

