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親愛なるご主人さま
第21章 宴のあと
 

 玲子は菜穂子の自室の小部屋に行った。地下のお仕置き部屋のような鉄格子はない。
 
 シンプルな6畳間ぐらいの洋間でストーブもある部屋だ。ドアノブを少し開けて中を見るとベッド脇のスタンドの小さなライトが点いていた。


 菜穂子はメイド服を着たまま、頭にカチューシャも付いたままでベッドに倒れるようにして横たわり、小さな寝息を立てていた。玲子が確かめるまでもなくメイド服の下はパンティではなくアナルディルドのT字帯が嵌まったままである。

 長いまつ毛を閉じた寝顔は天使のように優しく可憐だ。玲子はそのまま起こさないように唇を菜穂子の額に軽く触れた。
 淡い光に照らされた菜穂子の白い顔を近くで見ると、まつ毛が濡れていて、頬に涙痕があった。

 玲子は抱きしめたい衝動をやっと抑え、毛布を掛けてやってから足音を立てぬようにそっと部屋を後にした。




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