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親愛なるご主人さま
第3章 菜穂子の手紙2

 「そのまま上がって来い!」

 K様の声が目隠しをされた菜穂子の暗闇に響きました。すると・・・

 まるで蛇が舌をチロチロ這わせて菜穂子の左足の裏からふくらはぎを舐め、内腿に這い上がってくるようでした。左足に続き右足は菜穂子の膝の裏と太腿の付け根まで蛇の長い舌が菜穂子の性感を知り尽くしているようにおぞましく舐めずります。

 「ぅうう・・ひぃ・・・ゆっ・・ゆるしてぇ、薫さま、おゆるしを」


 「ああ、菜穂子さま!」

 ビシッーーーーーーン!!

 ひときわ大きな音で玲子奥様の一本鞭が振り下ろされました。

 「ぎぃぁううぅぅ!」


 悲鳴は菜穂子が発したのではありません。振り下ろされた鞭先は舐め犬のお身体でした。

 恐らく真っ赤な鞭痕が瞬時にくっきり浮かび上がるほどの厳しい鞭です。

 菜穂子は音だけでも鞭の強さと玲子奥様のお怒りの程がわかるのです。

 「犬がお口でしゃべるの?」


 「お、おゆるしを・・・・」


 ピシッーン!


 「キャウン~っ」

 ピシィー!

 更にもう一発、一本鞭が薫様のお尻を捉えました。


 「キャウン!」


 自分は叩かれていないのに、菜穂子は歯を食いしばっていました。目隠しされ何も見えない中で、薫様が叩かれる音が響き、仔犬のように啼き声を上げて許しを請うのが菜穂子の耳に突き刺さるように聞こえます。K様がおっしゃったとおり、目隠しで視覚を奪われ、五感の中の聴覚が研ぎ澄まされて敏感になり、ビクビクする恐怖感とワクワクする期待感がマゾ奴隷菜穂子の興奮を更に高めてゆきます。
 
 聴覚だけではなく、K様の興奮と玲子奥様のフェロモン。薫様と菜穂子自身の身体からはマゾ奴隷臭とも言える沸き立つ淫靡な匂いが菜穂子自身の臭覚をくすぐっているように感じるのでした。


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