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親愛なるご主人さま
第25章 川辺の雪
 
 新潟県○○市、破間川の近くに小さな村があった。日本の豪雪地帯のひとつで、3月になっても雪が積もる寒い土地だ。10歳になる農家の一人息子の勇人は、秋田犬の愛犬ゴローを早朝の散歩に連れ出すのが日課だった。

「お、夜中に積もったなぁ。よし、いくぞぉゴロー!」

 4歳オスのゴローは元気よく雪を蹴って跳ねるように歩いた。首輪のリードを引っ張り勇人の前を行く。雪は深いが空は晴れて気持ち良く10分ほど歩いて林を抜け川のほとりに出た時だった。



「ガルルゥゥ・・・」
 
 ゴローが立ち止まり唸った。

「ワォン!ワォン!ワォーン!」

 次いで体を震わせながら激しく吠えた。


 「どぉしたんだョ!ゴロー」


 こんなゴローを見るのは勇人にとって初めてでびっくりした。秋田犬は元々吠え声が大きく番犬としも適性があり、勇人の家でもそれ故に農機具などの盗難防止のために飼い始めたのだが、普段は無駄吠えせず、躾けは出来ているはずだった。

 ゴローが吠えて見据える先を勇人は見た。



 人だ。


 積もった雪の上に人の足が横わたっているのが見えた。人が倒れている。むき出しの素足で色が白く、積もった雪の白さと見紛うほどの色白の肌で、身体は雪に覆われ、勇人の立ち位置から顔は見えないが手が少し見えた。動かない。

 
 「ワンッ!ワンッ!!」


 ゴローがまた吠えた。だが倒れている人間に反応はない。



(死んでるのか・・・・)


 勇人は恐る恐る近づいて見た。

 倒れている人は服を着ていないように見えた。白く細い足が太もも付近まで見えた。

(女のひとかな?・・・)

 それと手と足の指先が雪の中でも赤く鮮明に見えた。一瞬、血か?と思った。

 いや違う・・・爪に色を付けるマニュキュアってやつだ。


 (助けなきゃ・・・)



 そう思って勇人はさらに5メートルぐらいまで近づいた。


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