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親愛なるご主人さま
第26章 悪夢の女医
 
 仰向けの体位で後ろ手に掛けられた手錠はそのままだ。しかも両足首はベッドの頭側の脚に革紐で結びつけられていて、ご丁寧に腰の下には枕が差し込まれ双臀が天井を向いていた。

 失神から覚めて最初に矢島の目に映ったのは、ラブホテル特有のベッドの上の天井に嵌め込まれた鏡の中の大きくV字開脚されて固定されている恥ずかしい自分の姿だった。

 鏡の中の異様な姿の自分を見て、股間の痛みと違和感の理由は一瞬で分かった。あれほどまでに恥辱的に逝かされ、精液を搾り取られたにも拘わらず、(昨夜、飲まされて塗られた媚薬効果の名残りなのだろうか?)今もピンピンに隆起していた。ペニスには昨夜レイラへの告白に添えてプレゼントしたサファイアのネックレスの細い鎖が、袋と竿の根元に固く縛るように絡み付いて結ばれ、皮が剝き上がったペニスに食い込んでいた。そこは血をにじませながら紫色に痛々しくうっ血して、サファイアの蒼い石は朝の光にキラキラ輝きながら、竿にぶら下がっていたのだった。


 「いてぇ!ううっ」

 キリキリ食い込む激痛に顔を歪ませ悲鳴を上げた。

 「レイラさ~ん!」

 名を呼んで見回すがレイラの姿はない。

 放置拷問はそれだけでは済まされていなかった。矢島を恥辱と恐怖に震え上がらせたのは、命の次に大事な自分のリボルバー拳銃ニューナンブM60の銃口がV字開脚で広げられ天井を向いた自分のアナルに深く差し込まれていたからだった。

「ひっ~!」

 矢島は思わず悲鳴を上げた。

 良く見ると回転式の銃創に弾は入ったままで、安全装置も掛かっていない。


 この状態で万が一、暴発でもしたら・・・・死ぬ!


 「くそっ、あの女、いったい何のつもりだ・・・」

 とにかく、まずは両手の自由を・・・


 しかし背中の後ろに手錠は掛かったままだった。




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