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親愛なるご主人さま
第26章 悪夢の女医

矢島は目を閉じて仕事のことを考えた、脳裏を支配するレイラの姿を打ち消すためだ。
警察学校を出て、これまでの巡査から刑事になった道程、担当して捜査してきた事件のこと。逮捕した犯人達のこと。そして刑事を志すことになったあの事件。矢島は13歳の時、父親を亡くした。父親も刑事だったが殉職したのだった。以後母親の腕一つで育てられ、矢島が刑事になりたいと言ったら猛烈に反対したが、今では息子のことを誇りに思ってくれている。青森の実家にいる母親のことを思うと、今の自分の状況がこの上なく情けなかった。
だがそれでも、アナルのえもいえぬ悦楽の感触は治まらない。尻の穴の中がムズムズと痒い。ペニスの痛みとアナルの疼きに気が狂いそうだった。
「ああ、もう・・・情けねぇ・・」
矢島は拳銃の銃口だけでも体外に排出しようと試みた。排便のときのように肛門括約筋に力を入れて絞り出すように息を止めて力んでみた。あと少しで拳銃が抜け落ちるところまで行って、気を緩めて息をふぅーと吐いたら、抜けるどころか逆効果で、拳銃の重みでアナルの奥にずずっと挿入するように動いてしまった。甘い快感が沁みるようだった。
「ぉおおお・・・ぁう・・」
思わず声が出てしまう。
それは矢島が知る由もなかったが、主にマゾヒストの男がアナルを使って女のように絶頂感を味わうために行うアナルオナニーのやり方に一致していた。潤滑ローションと共にアナルに器具を入れ校門付近の筋肉を呼吸と共に動かすマスターベーションのやり方だ。矢島にはディルドやエネマグロなどのマスターベーション器具の代わりに自分の拳銃が使われているのだった。
ジーンと響くような、それでいて甘く切ない快感がアナルから広がり脳に染み渡るように広がり、底なし沼から抜け出せないような悦楽地獄だった。矢島はなんとかここから抜け出だしたいと思いながらも、自分が置かれている状況を忘れ、このままずっとこの快楽に酔ったままでいたくなるほどの麻薬的悦虐に引き込まれた。
じっとしていても銃口がうねうねと動き、銃口の先がアナルの奥の前立腺を刺激するのだった。我慢できなくなって腰を揺すり、肛門括約筋を必死で収縮させた。
今の呪縛から逃れたいのか、もっと悦虐を味わいたいのか、矢島自身がどうしたいのか訳が分からなくなっていた。

