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親愛なるご主人さま
第26章 悪夢の女医

矢島は泣きながら山田に北条レイラのことを話した。だが妙な媚薬を盛られ変態的に、屈辱的に一晩中弄ばれたとは言えず、レイラに気持ちを告白したが一晩遊ばれて別れたと言った。
「そうかぁー、恋煩いに処方薬なしやなぁ、でもあの女はやばいぞ。確か旦那がおるだろ!」
山田は退院後も、まだ療養が必要な身体であっても矢島を何度も赤提灯に誘って矢島と飲み、話を聞いてやった。
「あの女はやめとけ、やっしー、儂がええ娘を紹介したるわ。ハハハ」
“ヤマさんのええ娘を紹介したる”は、その後1回も実現してないが、矢島を立ち直らせようとする山田の気持ちが矢島にとっては何よりも嬉しかった。
若くして父親を亡くしていた矢島は、その頃を境に山田を父親のように慕っていった。父親のようなベテラン刑事とタッグを組み、山田の背中を見ながら刑事の仕事に没頭することで魔性の女の玩具にならず、なんとか今日まで警察官としてやってこれたのだった。

