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親愛なるご主人さま
第28章 手紙

 翌朝ー

 小出署の小林署長は連絡を待ちきれず、新潟県警本部に出向いた。鑑定嘱託医師の北条レイラから科捜研経由で検体の報告書を既に受け取っているはずの刑事部長や鑑識を担当する捜査三課の課長らと会議室に入った。

 「出向いてもらってすまんね。コバさん、すっきりしないのは我々も同じで、結論まで時間かかったけど、昨夜遅くこの件は科捜研の科学的根拠も出たし、事件性はない自殺で収めることにした」

 刑事部長の中川が重い口調で言った。

 「承知しました。殺(ヤラ)れた感プンプンでしたけどね」

 「外傷無し。毒を盛られた様子もなし。凍死という死因の自殺はかなり珍しいが、過去に無いことはないんだ」

 「ええ。だけど発見されたとき素っ裸ってのがねぇ、遺留品も全く無しで・・・」

 「これ、北条医師の報告書のコピー」

 「はい。どうも」

 課長の井村が小林に渡した。

 「すぐに焼いちゃうんですか?」

 「5日ほど新発田のセンターで冷凍保存です。その後は市役所次第ですね。春に近づいて暖かくなってくると遺体の保存管理も手間とコストが係るらしいから」

 「山田刑事が本庁の情報管理室まで行ってくれたそうだね。引き取れる家族や身内が早く見つかるといいがね」

 通常、身元不明の死者で引受人が判明しない場合、警察から検案書と共に遺体は市役所の環境部の手配で火葬の手続きが取られる。事件性が極めて高そうに思えた雪中の全裸女の遺体事件であったが、年間約350を超える新潟県下の自殺者の1名として処理されることとなった。因みにこの年に発見された新潟県の身元不明の遺体は2人目であった。





 小林は県警を出て急ぎ小出署に戻った。

 山田と矢島が小林の帰りを待ちわびていた。




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