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親愛なるご主人さま
第28章 手紙

 「しょ、署長、もう一度、2人で現場行ってきます!!」

 「うん。行ってこい。だが、もう深入りできんぞ。本部の鑑識呼んでも来ねえぞ。この件は“自殺”でカタづいたんだからな!」


 矢島の運転でチェーンを履いた車を破間川の現場に飛ばした。

 太陽が照りつけ、国道わきの街路樹に積もっていた雪が溶けてバサバサ音を立てて歩道に落ちていった。車道はシャーベット状でタイヤチェーンが鳴った。一気に春の到来が来たかのような温かさだった。


 「しかし、どうして、こんな基本的なコトに気が回らなかったのかぁ!」

 山田は自分に腹立てながら言った。


 「雪は溶け・・・あの現場から何か出て来るでしょうか?」


 「さぁな、だが自殺は・・・どうしても解せねえ。零下の寒い真夜中に全部服を脱いで、独り雪の中で横たわるって・・・」

 「ぁ、そう言えば、ピアスとか金の輪とか・・・レイラさんが言っていたな・・・」


 「ん?あの女医さんがか?・・・お前に?」

 「ピアスリング、イヤリングみたいな物が現場に落ちてなかったかって?」

 「あの女・・・なーんか知ってるな・・・」

 車を現場近くの道に乗り捨てるように停めると、山田と矢島は河川敷に降りて踏み入った。

 雪は日が当たる場所は大分溶けた状態になっていたが、アスファルト道路の上ほどではなく、林がある日陰では地面まで20センチほど積もったままだった。

 「長靴とスコップ持ってくりゃよかったなぁ」

 山田が慌てて出てきたことを悔やんだ。

 「トランクにスコップありましたよ」

 「おおっ助かった。この辺りだったな?女が倒れていた位置」

 「はい。目印の杭を残しておいてよかったです」




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