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親愛なるご主人さま
第6章 菜穂子の手紙5
 
 部屋に入る前に菜穂子は黒い布で目隠しをされました。以前「女体盛り」で薫様と対面した時と同じ目隠しです。目隠しで、視界がなくなってから、カチャという首輪についている鎖を外される音が聞こえ、玲子奥様に手を引かれて、手術室に入りました。そのお部屋は病院の診察室と同じような消毒液の匂いがしました。菜穂子はあのツーンと鼻につく病院の匂いが苦手です。匂いを嗅ぐだけで怖くなって緊張するのです。
 そしてこの時、菜穂子をさらにドキドキに不安にさせたのは、目隠しで何も見えないという状況だけではなく、玲子奥様以外に部屋の中に誰かがいる気配を感じたからです。菜穂子は気配を探るため耳を立て、鼻もクンクンさせてみました。

 「菜穂子を椅子に乗せるから手を貸してくれる?」という玲子奥様の声に「はい」と返事をする小さな可愛らしい声が聞こえました。若い女性の様でしたが、薫様ではないようです。薫様が近くにいらっしゃれば菜穂子は目隠しをされていても匂いですぐ判るぐらいですから。

 菜穂子は奥様とその可愛い声の主のお二人に支えられ、診察台と思われる椅子に乗せられました。

 ご主人様は産婦人科の内診台をご存じでしょうか?腰を奥行きが狭い椅子に乗せ、仰向けで両足を乗せる台がある金属製のひじ掛け椅子のような診察台です。お医者様がハンドルを回すと、両足を乗せた台が左右に開いて行きます。

 腰をベルトで固定し、脚も勝手に閉じられないように革ベルトで固定され、手首もひじ掛けに皮ベルトで繋がれてしまいました。俎板のうえの鯉同然です。
 玲子奥様の隣にいる先程の可愛い声の主の女性にも菜穂子の裸の下半身はしっかり見られているはずです。

 見られている・・そう思うと菜穂子の奥のほうがジュワ~と濡れてくる感覚がございました。菜穂子の高ぶりと不安な気持ちを抑えるように玲子奥様がそっと手を握ってくれました。

「玲子奥様・・・」
「大丈夫よ」
「菜穂子の傍にいますから、あなた、先生を呼びに行ってきて」
「はい!」

 玲子奥様に指示されて可愛い声の主はパタパタと足音を立て手術室を出て行きました。

「奥様・・今の人は?・・」

「ナースさんよ。今日、菜穂子の手術をしていただく、J先生の・・・特別な・・・ウフフッ、J先生はね、薫の元ご主人様で、薫の去勢手術もなさった方よ」

「薫様の!・・・」




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