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前戯指南
第2章 前戯指南
さらに首筋や耳を口で愛撫され、晴臣は呆気なく射精した。黒いタイルの床が、白く汚れる。
「はぁ、はぁ……」
射精後の倦怠感で晴臣は横になる。

「なかなか上手だったよ、晴臣くん」
「それは、どうも……」
疲れきった晴臣は、重たい瞼を無理やり開けながら言う。
「眠そうねぇ。緊張状態から開放されたからかな? 寝ても大丈夫だよ」
「それじゃ、少し、だけ……」
晴臣は目を閉じ、寝息を立てた。

「さて、と」
エルカは鼻歌を歌いながら身支度を整えていく。

夕方、晴臣が目を覚ますとエルカの姿はない。
「あれ? どうしたんだろう?」
部屋を見回すと、机の上に置き手紙があるのに気づく。
“久しぶりに楽しめたから、ホテル代だけでいいよ”
置き手紙が置いてあった場所には、しわくちゃになった1万円札が折りたたまれている。

「ラッキーっちゃラッキーだけど、いいのかな?」
晴臣はもやもやした気持ちで1万円札を財布に入れると、ホテルから出た。
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