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溺れるくらいに愛して
第1章 溺れるくらいに愛して
***
「みーこちゃん、次、いける?」
「あっ! はい」
「来ちゃった」
「来ちゃったって女の子じゃん!」
「ふふっ」
部屋に入ってきたお客さんは、優祐さんで、律儀だなあと思った。あたしたちの初めて。
「あぁっ……ん。優祐さん……」
思わずシーツをギュッと握る。体は跳ねて、びくついて、トロトロと次から次へを溢れ出る感覚。
「みーこちゃんの体、さすがにエロいね。知り尽くして開発しきって、僕も、もたないよ。締まり良すぎっ……」
「はっ……あぁぁぁ! もっと、もっ……」
無常にもタイマーが鳴って。
「延長します?」
「だーめ。どうしても続きがして欲しかったら後日、僕に連絡して」
「んっ……。絶対っ、するっ……」
「もぉー。みーこちゃん、可愛いよ」
濃厚なキスの後、ふわっと頭を撫でてくれた。優祐さんが部屋を出て行く間際。優祐さんのシャツの裾をギュッと握る。
「また会ってね。約束だよ」
「もお。みーこちゃん、寂しがり屋さんだね。可愛いよ。好きだよ。じゃあね」
好きだよ。優祐さんには、きっと挨拶のような一言なんだろう。けれども、その言葉を素直に嬉しいって思って、この短時間に溺れている自分に驚いた。
恋人は作らない。自分ルール。大丈夫、優祐さんは恋人じゃない。