この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
泥だらけのお姫様
第1章 夫の末路
「悲惨な事件だったようねぇ」
「でも、奥さんも可哀想よね。あの方、とても素敵な人だったけど、女癖が悪かったんでしょう?」
「しっ、聞こえるでしょ!」
喪服に身を包んだ人達。遺影には、私の夫の仏頂面な顔。全部聞こえている。
「母さん、大丈夫?」
「大丈夫よ。優希(ゆうき)」
地方の高校に入学して、寮生活をしている息子。お通夜とお葬式のために一次帰宅している。息子は私の一番の味方だ。
いつかこうなる日が来るんじゃないか? 覚悟していたことだ。悲しいという気持ちよりもホッとした気持ちのほうが今は大きい。
「でも、奥さんも可哀想よね。あの方、とても素敵な人だったけど、女癖が悪かったんでしょう?」
「しっ、聞こえるでしょ!」
喪服に身を包んだ人達。遺影には、私の夫の仏頂面な顔。全部聞こえている。
「母さん、大丈夫?」
「大丈夫よ。優希(ゆうき)」
地方の高校に入学して、寮生活をしている息子。お通夜とお葬式のために一次帰宅している。息子は私の一番の味方だ。
いつかこうなる日が来るんじゃないか? 覚悟していたことだ。悲しいという気持ちよりもホッとした気持ちのほうが今は大きい。