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泥だらけのお姫様
第2章 馴初め
***
夫の優祐(ゆうすけ)とは幼稚園からの幼なじみだった。優祐は、いつだって優しかった。地味で目立たない私は、男の子達にからかわれがちだった。
「美愛(みあ)ちゃんをいじめるな!!」
いつだって、そんな風に、高校まで守ってくれていた。
高校を卒業して就職した私と大学に進学した優祐。優祐は、整った顔立ち、成績優秀、そして、優しさ……女の子の好きな要素は揃っていた。いつだって、優祐には可愛い彼女がいた。けれど幼なじみとして、私達はずっと仲良しで、なんでも話せる関係だった。お互い二十代最後のある日のこと。深夜に電話があった。眠気眼に電話を取る。
「もしもし?」
「もしもぉ~…し。美愛、もう僕、ダメだわ~…」
「どうしたの?」
「まぁた~…振られた。しかもアイツ浮気してやがって、相手の男と結婚するんだって~…。やってらんねーわ。ほんと。何でこんな女運ねーの??」
「今どこ?!」
「BAR◯◯」
あまりに泥酔した優祐の声に私は、タクシーを呼び、向かった。