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泥だらけのお姫様
第3章 泥にまみれてく
結婚式は、少し、高価な協会でお腹が大きくなる前にと早めに済ませた。予約を探すのは大変で、式場は少し田舎のほうになってしまった。
プリンセスラインのドレス。まるで夢の国のプリンセスが着るような、そんなふわふわとした白より生成りに近いスワロフスキーが全面に散りばめられたドレス。お色直しは、大好きなプリンセスの黄色のドレスと紫のドレスの二回。
「美愛おめでとう!」
「おめでとうぅう!」
「岡崎さん、おめでとうございます」
少し疲れてしまったけど、最高の思い出だった。友達や職場の人にも羨ましがられた。円満な寿退社。円満な結婚。それが世間での見え方。
それからは、出産に育児にと忙しい毎日を過ごした。優祐は、休みの日には、遊園地。海遊館。ランチにディナー。動物園。時には、優希を預かってくれて、私は友達とのお出かけや自分の実家でのくつろぎなど。
「いい旦那さん」
それが世間での評判で。年を重ねていくうちに、昇格も昇給も……本当に優祐は全てにおいて、優秀で完璧だった。どうして彼女に今まで振られ続けていたのだろう?