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泥だらけのお姫様
第10章 【番外編】幼女な姫と優しい王子
***
深夜……トイレに目が覚めると、母さんの部屋から泣いてる声が聞こえた。部屋をノックする。
「母さん、入るよ」
「入らないで」
俺はその言葉を無視して部屋に入ると、母さんは涙で顔をぐしゃぐしゃにしていた。俺は母さんを抱き締める。
「大丈夫? 大丈夫だよ……ごめんね、気づいてあげられなくて。何でも言ってって言っても息子じゃ、言えないよな? でも、俺、本当にあの頃より大人になったからさ。もう助けられない小さい子じゃないから。何か、して欲しいことない? あ、ホットミルクかレモネード作ってこようか?」
「……ここにいて。一緒に寝て。一人は……寂しいの」
立ち上がろうとする俺の腕をか細い手が掴んだ。俺は母さんにキスをした。
「えっ……?」
「寂しくないおまじない。俺が眠れない時、昔、ほっぺたにしてくれたでしょ? ほら、寝よ? ぎゅーってしといてあげるから」
「ありがとう」
俺は母さんを抱き締めたまま眠りにつけるわけがない。下腹部が張って痛くて、母さんが寝たのを確認してからトイレで自分のモノを処理してから寝た。抱き締めたままじゃ眠れないので、少ししんどいが、壁にもたれて座りながら。