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人妻 玲子の白日夢  「夜の遊園地」
第1章 プロローグ
「玲子さん。ご相談です。リアル朗読会しませんか?ご都合の良い時にお電話ください。」

菅原から、久しぶりのメールが届く。
菅原は、私の官能小説朗読サイトを管理し、配信作業をしてくれている。

契約社員をしていた予備校を退職した私は、日中は自宅で一人過ごすことが多い。夫も子供もそれぞれ仕事や学校に行っている。

そのため、執筆にあてられる時間も増えて、「人妻 玲子の白日夢」の配信数は20作品以上になった。

普段は、スマートフォンに向かって朗読し、録音している。当たり前だが観客はいない。大昔、高校生時代に演劇部員だったこともあり、観客の生の反応を感じてみたい気もする。

でも。。。これは官能小説。
こんなイヤらしいことを書いている女なら、簡単に遊ばせるはず、と思われるのは怖い。

逆に、もし私の小説を気に入ってくれている人がリアルな私を見て、イメージと違いすぎるとガッカリされるのも、つらい。

とりあえず、話だけは聞いてみようと菅原に電話をかける。

「もしもし、菅原さん?玲子です。今、よろしいですか?」

「こんにちは。あ~良かった、電話くれて。待ってたんですよ!どうです?リアル朗読会。考えてくれました?」

「う~ん。興味がないわけではないんですけど。。。」

私は自分の迷いを率直に話す。
乱行パーティーみたいなものを期待されていたら怖いこと、年齢はオープンにしているものの、リアルな自分を見てがっかりされるのも辛いこと。

「そうですね。最初の心配は、僕が立ち会いますので大丈夫ですよ。場をコントロールします。安全は保証しますから。募集の段階で、純粋な朗読会のため、玲子さんと何かできると期待している方は遠慮してください、と明記します。」

「でも。。。」

「あと、玲子さんの朗読のファンは貴女を見てますからね、橘君とのカラミの写真で。その上で応募してくる人達ですから、がっかりさせることはないと思いますよ!」

「はぁ。。。」

「携帯電話も預かりますし、そうだ!玲子さん、ベネチアンマスクつけてください。それからお客さんにはアイマスクをしてもらいましょう。朗読を聞くことに集中してもらうためにも。そうすればお顔が露出することもありませんし、安心でしょう?」
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