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『Room 』
第10章 旅行
「洋平くん?」
不意に声を掛けられて、驚いて振り向くと
可憐が立っていた。
「可憐さん…」
力なく自分に目を向ける洋平に、ヨーヘイではなくなっていることにホッと小さく息をはく。
「どうしたの?こんなところで。」
洋平の隣に腰を下ろし、空を仰ぎ見る。
満天の星空が、儚く瞬いていた。
「眠れないんですか?」
洋平は、可憐の質問に答えず可憐と同じく空を仰ぎ見る。
「ん。なんか、目が冴えちゃって…」
何時もの可憐とは異なる、静な返答に洋平は何も言えずに沈黙する。
可憐も…いた。
あの場所に。
所在なさげに手のひらを親指で、撫でていた洋平をふわりと暖かいものが包みこむ。
可憐が優しく抱き締めていた。
「可憐さん?」
戸惑う洋平の頭を優しく撫でながら、驚くことをいった。
「洋平くん。気づいてるでしょ?さっきの…。」
「!!」
可憐は、洋平が頭を抱えているのを見ていた。
だから、声を掛けたのだ。
「可憐さん…」
思わず可憐を抱き締める。
決壊したように涙が溢れた。
夢の中の出来事が事実だと、確信したのだ。
そして、自分のなかでなにが異常を起こして、彼が出来たと言うことも。
不意に声を掛けられて、驚いて振り向くと
可憐が立っていた。
「可憐さん…」
力なく自分に目を向ける洋平に、ヨーヘイではなくなっていることにホッと小さく息をはく。
「どうしたの?こんなところで。」
洋平の隣に腰を下ろし、空を仰ぎ見る。
満天の星空が、儚く瞬いていた。
「眠れないんですか?」
洋平は、可憐の質問に答えず可憐と同じく空を仰ぎ見る。
「ん。なんか、目が冴えちゃって…」
何時もの可憐とは異なる、静な返答に洋平は何も言えずに沈黙する。
可憐も…いた。
あの場所に。
所在なさげに手のひらを親指で、撫でていた洋平をふわりと暖かいものが包みこむ。
可憐が優しく抱き締めていた。
「可憐さん?」
戸惑う洋平の頭を優しく撫でながら、驚くことをいった。
「洋平くん。気づいてるでしょ?さっきの…。」
「!!」
可憐は、洋平が頭を抱えているのを見ていた。
だから、声を掛けたのだ。
「可憐さん…」
思わず可憐を抱き締める。
決壊したように涙が溢れた。
夢の中の出来事が事実だと、確信したのだ。
そして、自分のなかでなにが異常を起こして、彼が出来たと言うことも。