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『Room 』
第5章 声の出ない女
「洋介君。助けてくれ。」
あれから暫くは、芝浦からの連絡は無かった。
洋平の話を打ち明けてから、芝浦も洋平にはヨーヘイの存在がバレないようにしていてくれる。
久しぶりに携帯がなり、液晶を見ると、芝浦からだった。
芝浦の声は、心底困っているようで心なし沈んでいた。
「【Room】ですか?」
「ああ…わたしでは彼女は無理だった。」
洋介は最近、芝浦のHPをチェックしていて、芝浦もそれは承知していた。
だから、芝浦が言う「彼女」がどういう女か知っている。
“元AV女優”彼女自身がそうHPに書いている。
彼女の悩みは、こうだ。
《わたしは最近まで、AV女優をやっていました。
その時のクセで演技をしてしまうんです。
派手に声を出したり、演技をやめてしまうと気持ちよくても声がでない。
でも、彼氏に最近、演技だとバレてしまって…。
彼を凄く傷つけてしまいました。
元々AVをやっていたことは知っていますが、バレてしまってからはセックスの最中、私が声を出すと彼が萎えてしまいます。
どうか、助けてください。》