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『Room 』
第6章 遭遇
『とんだ茶番だな。』

「ああ…。すまなかったな。帰るか。」

洋介とヨーヘイは、芝浦達を放置してマンションを後にした。

「貴方たち。久しぶりね。」

もうすぐ、家だというところで後から声を掛けられた。

振り向くと、そこには生田 真理子が立っていた。

「生田…」

洋介は内心焦っていた。

真理子はヨーヘイの事を、覚えていない。
だが、ヨーヘイは覚えているだろう。
主導権を洋平に渡したヨーヘイがどうなっているのか、洋介には分からない。

ちらっとヨーヘイを見てみるときょとんとした表情をしていた。

「?」

「久しぶりと言っても、そっちの弟くんは初めましてになるかしら?」

ニヤリと笑みを、ヨーヘイに向ける。

それにヨーヘイは、無言でお辞儀をするだけだった。

「生田はこんなところで何をしているんだ?」

仮にも真夜中だ。

女性一人がこんな、人気のない住宅街に居るのは物騒である。
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