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第6章 遭遇

真理子はニヤリと口角をあげ、洋介を見た。

「わたし、見たのよ。芝浦さんのマンションから君たちが出てくるのを…。」

「へぇ、それで後を付けて来たの？」

「ええ…。
貴方が【Room】に関与していることも想像がつくわ。」

「それで？」

洋介の問いに真理子が表情を暗くする。

「芝浦さんに【Room】を辞めさせてほしいの…。」

『……無駄だろ。』

それまで黙っていたヨーへイが口を開いた。

『どうせ、辞めさせれば自分だけを見てくれるーってやつだろ？』

「ああ、成る程ね。」

「ぐっ…あんたたちに何が解るのよ…」

真理子は図星だったのか、下唇を噛んで俯いて唸るようにいう。

「わたしを…こんな…体にしといて…こんな…」

「あー、なるほどね。まぁでも、お前の頑張りしだいじゃね？」

『あいつは、一筋縄じゃいかないだろう？』

「そこが、頑張りしだいってことだろ？」

『オレがやるのか？』

「当たり前だ。誰が解るんだ、誰が…」

『アイツでいいんじゃないか？』

「こんな酷なことはさせない。」

『…オレならいいのかよ。』

真理子は顔をあげ、勝手に話を進める俺達を、期待に満ちた表情をして見つめてくる。

「どういう事？【Room】を辞めさせる方法があるの？」