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降りしきる黄金の雫は
第13章 13 並木道
林田さんが割って入る。

「シイちゃんの話は話半分で。たぶん近所の子だよ」
「そんなことはない!」
「わかったわかった」

やれやれという様子で林田さんは冗談ぽく受け止めていたが、僕にはその話が真実だと思った。ご隠居は少し遠くの空を眺めて、まだ何も植えられていない地面に目をやる。優しい眼差しはシイちゃんを想っているのだろうか。

「じゃあ、この辺で。先生、秋からだよね。植樹は」
「はい、そうです。スケジュール平気ですか?」
「うん、調節しとくよ、岡田社長にもよろしく言っておいて」
「わかりました。お父さんもご苦労様でした」
「またな、先生」

二人を見送りながら秋の忙しさと金木犀の開花の楽しみを考え僕も職場へ戻った。
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