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ご褒美はキミ
第2章 お弁当の代わりに
「ダメ……ですか?」

今度こそ、マズイこと言っちゃった?
―――そう後悔したのは一瞬だけ。

「い、いや、ダメじゃないよ」

充輝先輩の掠れた声に、豊先輩が必死になって頷く。高志先輩に無言で尋ねたら嬉しそうに微笑んでくれた。


……良かった。


先輩たちの笑顔が見られただけで、涙も後悔も一瞬で吹き飛んでしまっていた。

「……そうだな。優勝したら願い事を叶えてくれるってのは?」

「願い事って言ったら、三つだよな」

高志先輩の案に豊先輩が乗っかった。

「それは、一人につき三つってことですか?」

豊先輩は一瞬だけ眉を上げると、ニッといたずらっ子のように笑う。

「そう、一人につき三つ」
「それは真帆が困るだろ」

充輝先輩に咎められて豊先輩は悲しそうな顔で私を見た。
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