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ご褒美はキミ
第7章 望んでいるのは
あごを掴まれて、またリキュールが注ぎ込まれる。

「落ち着いた…かな?」

高志先輩が顔を覗き込んできた。


「ご…めん、なさい……」

「なんで真帆が謝ンの?」

充輝先輩に後ろから抱きしめられた。
鍛えられた太い腕に包まれて、躊躇うことなく充輝先輩に体を預ける。


「だって、」

充輝先輩が震えているから……


嫌だって、パニック起こして泣いてしまった。
そのせいで、充輝先輩を傷つけた。
双六だって……中断しちゃった。

高志先輩も豊先輩も何も言わずに優しくしてくれるけれど、本当はがっかりしていると思う。


「……もう、止めよっか」

「……えっ?」

驚いて高志先輩を見た。

「そうだな、」

耳元で充輝先輩が呟く。

「真帆に嫌な思いをさせてまで、ご褒美が欲しいわけじゃないから……」
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