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ご褒美はキミ
第8章 欲しいのはキミ ①
伝えたい言葉はたくさんあるのに、何て言えば良いのか分からない。

キスするだけじゃ伝わらないのに……。


手のひらにもう一度唇を押しあててから、その手を胸のところへ連れていった。

「……真帆、」

私の手の下で、充輝先輩が胸を優しく包み込んでくれる。

「……ぁ…の、」

「誘ってる?」


さそっ…て……?

そ、そうじゃなくて……


ゆっくりと胸が揉みしだかれて、首筋に強く唇を押しつけられる。

「男って単純な生き物なんだ。だから、こんなことされたら勘違いして……つーか勘違いじゃないよね?調子のっちゃうよ?」

重なった肌から甘くて低い声が響いてきて、充輝先輩の声に包まれているみたいだった。


それが気持ち良くて体をゆだね、それでも必死になって何回も口を開く。
けれど、溢れるのはため息ばっかりだった。
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