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ご褒美はキミ
第8章 欲しいのはキミ ①
「……出来るかな」
「俺は無理」

充輝先輩の自信なさそうな言葉に、豊先輩はきっぱりと答えた。

「そ…んな……」

じんわりと霞んでいく視界を、高志先輩が拭ってくれる。


「出来るだけ優しくする。その代わりに真帆も約束して?嫌がらない……泣き叫んだりしないって」

指は変わらず中に入ったままだけれど、先輩たちは動きを止めてじっと私を見つめた。

「真帆に拒絶されたら、泣きたくなるんだ。だから……ね?」

「……が、んばり……ます」

先輩たちはホッとして嬉しそうに笑った。

「じゃあ、もうイヤとか言わない?」

自信はなかった。
けれど、先輩たちを悲しませたくなくて頷いた。

「ありがとう」

充輝先輩は頬にそっとキスをした。
続いて豊先輩と高志先輩も優しいキスをくれた。
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